さっき、薄っすらと開いたまぶたの隙間からは月の優しい光が見えた。 何時かまでは分からないけど、いまは紛れもなく夜だ。 まだ寝ていてもいい時間。 そうじゃなくても……、なんだかいまは物凄く眠い。 落ちてゆく意識に身を任せると右手になんだか懐かしさを感じた。 それはとても優しいもので、私は思わず朔の顔を思い出した。