そこは神聖な場所のはずだった。 温かい場所のはずだった。 平等な場所なはずだった。 希望に満ちた場所のはずだった。 はずだったのに……。 真冬の早朝。 高校生の女の子が一人で。 人目につかない深い場所で。 うずくまって眠っていた。 「ハナ!」 だけどその日。 この場所で僕が目にしたのは希望を失い、絶望し、願いも望みも持てなくなった抜け殻状態のハナだった。