春の夜。 僕は母さんの墓参りの帰りに古いカラオケ店に連れて行ってもらった。 そこでまたハナを見つけた。 ハナはカラオケ店に入ろうとはしなかった。 多分待ち合わせでもないのだろう。 時間を機にする様子もないまましばらくすると暗い道へと消えて行った。 暑さの厳しいお盆の時期。 僕は車中からハナを見かけた。 ハナは老舗感のある和菓子屋さんの前でおばあさんと話していた。