返事もなく、振り向きもしないその子に苛立った。 だから無理矢理その子の視界に入り込んでみた。 だってとても気になったんだ。 深く沈んだその場所で、その子はじっと上を見上げていた。 恐らく小学生であろう女の子が、こんな場所で一人。 「わああああ!」 上から覗き込む僕の顔を見て、その女の子は尻もちをついた。 で、そのまま後ろへと後ずさる。 「無視からのその反応はさすがに酷すぎない?」