「うん?」

「久しぶりに一緒に眠りましょう」

ぼんやりと電気の残り灯を眺めていても、布団の擦れる音で母さんが端へと体を移動させたのが分かった。

それがとても痛々しかった。

悔しかった。

母さんは朝から晩まで働き詰めで、週に一回の休みを最近は布団の中で過ごしていた。

あと二年。

あと二年経てばバイトができる。

そしたらなるべく時給の高いところで、どんな内容でもいいから仕事をして。

そうすれば母さんをもう少し休ませてあげることが出来るのに。