その視線は隠そうともしてなかったし、狭い家だ。 だから気づかない方が無理だった。 だから気づいてた。 「どうしたの?」 って聞きたかった。 「何かついてる?」 って聞きたかった。 「仕返し」 とか言って、笑ってる母さんを僕もずっと見ていたかった。 「母さん、僕は寝るよ?おやすみなさい」 だけどできなかった。