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朔と私は眩しく瞬く橙色の世界を抜け出して深淵へと続く紫色の世界へと向かって歩みを進めている。

いま、私たちの手は離れ離れになっている。

繋いでいたらダメだと思った。

何がってわけじゃないけど……それでも。

「朔、つぎはどこに向かってるの?」

始まり出した紫色の世界ではあまり人にすれ違わなかった。

そのせいで耳に届くのは車のエンジン音のみ。

一人無音の世界で生きてきた私だけど朔と二人で過ごす無音は呼吸を重くさせた。