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「このバス停っていまでも使われてるのかな?

僕はここにバスが止まってるのを見たことがないんだ」

電柱に満足した朔が次に見つけたのはボロボロのバス停だった。

田舎によくある屋根付きのやつじゃなくて下にコンクリートの重りがある自立型のやつ。

その横には誰が置いたのか勉強机とセットで売っていたであろう回転式の椅子が一つだけ置かれている。

雨ざらしの椅子も手入れのされていない立て札も元の色を失っている。

それは侘び寂びとか色褪せたとか綺麗なものじゃなくて、放置されてとか捨てられたとか。

色を抜かれたって表現が妥当なところだろう。