「怖い怖い怖い。待って待って待って。

何?どうした?いまの一瞬で何があったの?」

「え?何かあった?」

「あーっと……。それ、私が聞いてるんだよね」

「ごめんごめん!

そうだなぁ、僕の方は特に何もなかったよ?」

朔の表情はよく動く。

『ごめんごめん』は楽しそうに口角が上がった。

『そうだなぁ、』は真剣なのか眉間にシワが寄った。

最後の一文『僕の方は特に何もなかったよ?』は小さな子供のような純粋さで期待を滲ませた瞳で見つめてる。