歩くスピードはとてもゆっくりで、だからこそいくら歩いたって一向に体は温まらない。

「朔の方こそ、なんか震えてるんじゃない?」

「大丈夫。これは一種の武者震いだ」

「何それ」

「知らない?武者震い」

「知ってるけど、どうしていま武者震うのよ。

ただ歩いてるだけなのに」

「よっしゃー!やるぞー!の武者震い。

別に僕は誰かさんと違ってただ歩いてるだけじゃ無いからね」