するとついさっきまで追ってきていた優しい声が聞こえてきた。 「だったらやっぱり、僕たちは一緒に居るべきだよ」 私の少し前方、その曲がり角から朔が嬉しそうな笑みを浮かべて歩いてくる。 「ちょっと、なんで朔がここに居るの?」 ついさっきまでとことんまで構えとか思ってたはずなのに、いざその顔を見ると強がる言葉が出てきてしまった。 「なんでって、ハナがあの道を左に曲がれって言ったんでしょ?」 それでも朔は全く気にかけるそぶりも見せず、こてんと首を傾げてこっちを見ている。