家も。 道も。 人も。 鮮やかさなんか欠片もない。 くすんだ景色もそこに舞い落ちる雪も、綺麗なものなんて一つもない。 「ねえ。何がくだらないの?」 声とともに知らない顔が視界を埋めた。 なんだ、こいつ。 返事なんかしないでその顔を睨みつける。 無視してるんだからどっか行ってよ。 そう目で訴える。