ああ、もう! 「朔、どうしてついて来るの」 「僕も散歩」 「じゃあ私はこの道を右に曲がるから、朔は左に曲がって。 じゃあね。さようなら」 「ふふ。分かった。じゃあハナ。またね」 「はいはい」 私は二股に分かれた道を右に曲がってさらに歩き進める。 もう朔の声は聞こえてこなくて、やっと解放されたのだと安堵する。