よく笑うなと思った。

きっと朔には辛いことなんて全然ないんだ。

そう思った。

「ハナ?ほら、入って入って。

いつまでも外にいたら風邪引くよ?」

いつの間にか玄関の前に立っている朔に促されるまま、私はなんの躊躇もなく古い民家の中へと足を踏み入れていた。