確かに古いし庭には枯れた雑草がそこかしこに顔を覗かせている。
だからって古いなんてわざわざ言う必要があるのだろか。
でも古いと言った朔の顔は小馬鹿にしたふうではなくて、温かさのこもったとても柔らかなものだった。
「うん。でもなんかいいね」
根拠なんかないけどなんとなくそう思った。
「そうでしょ。僕もそう思う。
たくさんの歴史が刻まれてるからかな、古いけど温かい感じがして好きなんだ。
中は綺麗にしてるから住みやすいしね」
朔はまた
「ふふっ」
と笑った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…