朔は初めて会った時と同じ、何も知らない笑みを浮かべながら、

「良かった」

とか言って、私の手を引いて歩き出す。

「ちょっと、何?どこ行くの?」

「いいから僕に任せて」

任せるって何を?

親も友達も朔がどうにかできる問題じゃないのに、一体何を任せればいいの?

だけど何を聞いても答えてくれないような気がして。

と言うかきっと朔は何も考えてすらいないだろうから。

私は仕方がないから手を引かれたまま朔の少し後ろを歩き続けた。