(中略)
休み明けの月曜日。
待てど暮らせど、ハルは学校に姿を現さなかった。
「今日は二宮先輩、お休みかあ」
クラスの女子たちもがっかりしている。
どうしたんだろう。まさか、日曜日に歩き回ったのが良くなかったんじゃないよね?
不安で仕方なくなって、学校から帰ってすぐにメールを入れてみた。
【今日はお休みだったんだね。顔、見れなくて残念。でも、無理しないでね】
なかなか返事が来ない。
体調が悪くなって寝込んでるんじゃないだろうか。
私の秘密や嘘のせいで人間不信に陥っているんじゃないだろうか。
ハルからのメールを待つ間、どんどん悪い想像をしてしまい、怖くてこちらから改めて連絡をとることができなかった。
【つむ。今から会えないかな】
そのメールが入ったのは、夜の八時を過ぎた頃だった。
【いいよ。どこへ行けばいい?】
迷いはなかった。たとえこれが深夜だったとしても、私はそう返信しただろう。
【いや、やっぱ遅すぎるよな】
むしろ、ハルの方が迷っているようだ。
【大丈夫。こっそり家を抜け出せるから。どうしたの? 何かあったの?】
しばらく返信が途絶え、二十分ほど経ってからメールが来た。
【じゃあ、七里ヶ浜の駅で待ってる】