「学校も来週から行けそう。午前中は外来で通院するけど、午後から自由にしていいって。一週間、様子を見て、大文夫そうなら、一時退院から経過観察になるみたい」

「そうなんだあ」

彼が学校に行きたがっていたことを知っていた私は、嬉しいと思う反面、今までみたいに、ふたりっきりになったりすることはないんだろうな、という諦めに似た寂しさも感じていた。

けど、これでいいんだ。

「つむ、毎日、本、届けてくれて、今までありがとな」

それはまるで別れの言葉のように聞こえた。

「ううん」

何とか笑顔をキープしながら首を振る。

その間も、他の男の子たちに渡す連絡先を書き続けているハル。その綺麗な横顔が遠く感じる。

「じゃ、私、今日はこれで帰るね。月曜日、学校で会えるし」

強がって言ってみたが、やっぱり寂しい。