「私も。こんなことなら早く会いに行けばよかった」

前を向いたシヅキの体が小さく強張る。

「ここ……」

シヅキの視線の先には花が添えられた電柱が一本建っていた。

「事故に遭った場所?」

「うん」

「怖いか?」

「大丈夫。怖くないよ。でもね、助けられなかった」

そうか。

この花は助けようとした猫のために添えられたものだったのか。