※※※ 帰ると言った俺を送ると、静かな住宅街を並んで歩く。 柔らかな風が。 草花の香りが。 降り注ぐ日差しが。 とても心地良い。 「何笑ってるの?」 「笑ってた?」 「笑ってた」 そう言うシヅキの顔だって笑ってる。 「またこんなふうに一緒に歩けると思ってなかったから。俺、たぶんうかれてる」 シヅキの瞳がより一層細められる。