※※※ しばらくの間、俺はそこから動けなかった。 シヅキが居たその場所でうずくまったまま、それこそ涙が枯れるまで泣いた。 言いたかった。 シヅキが好きだって。 大好きだって。 俺も伝えたかった。 笑いたかった。 シヅキがそれを望むなら笑顔で送り出したかった。 シヅキが「大丈夫」だと「できる」と、そう言ってくれたのに。 俺は笑えなかった。