「美味しい?」

「甘いな」

「お砂糖入ってるからね」

「お茶にすれば良かったかな」

「春人が買ったんでしょ」

「そうだな」


ふふっとシヅキが小さく笑う。

「どうした?」

「だって、前にもこんな会話したよね」

「ああ。あれはかなり恥ずかしかったなぁ」

「春人がいけないんだよ?家族に嘘つくから」

「そうだな」

「だけど」

一度言葉を切って、それから泣きたくなるような綺麗な笑顔でシヅキは続けた。