「どこに?」

「明日は学校もバイトも休みなんだ。だからシヅキの通ってた高校に行ってみよう」

シヅキの学校だって明日は休みだ。

だけど部活で学校に行く人はいるはずだ。

全く誰もいないなんてことはない。

シヅキのことを知っている人に会えるかなんて分からない。

だけど何か、些細なことでもいいから何か少しでもシヅキのことが分かるかもしれない。

「春人」

ここ数日で何回も聞いた、すっかり耳に馴染んでいるその声が俺の名前を呼ぶ。

「ありがとう」

「お礼を言われるほどのことじゃないよ。電車に乗れば簡単に行ける」

「うん。そうだね。それでも、ありがとう」

「どうしたんだ?最近ちょっとおかしいぞ?」

「なんでもないよ」

「本当に?」

「うん」