「春人、明後日は何時に帰ってくる?」 その日はバイト先のおばさんたちの計らいで休みをもらっている。 学校が終わって、夕方には家に帰ってこれる。 「十時過ぎかな」 「あら、遅いのね」 「春兄彼女できたの?」 「バイトだよ」 「なんだー。つまんない」 「お休みもらったんじゃなかったかしら?」 「急に人が足りなくなったんだ」 嘘だ。 人は足りているしバイトだって休みだ。 だけど休みだから、またシヅキと出掛けようと約束した。