「今日は丘に寄るか?」 「どうしようか」 「やっぱり元気ない?」 「大丈夫だよ」 「そこ曲がって」 「行くの?」 「いままでずっとそうしてきたから」 「そうなんだ」 まだ微かにオレンジの残る空を見上げる。 そこには欠けた月と一つだけ、小さな星がちらちらと瞬いていた。 「今日は楽しめたか?」 「うん。楽しかった」 「明日はバイトがあるけど明後日は休みだからまた出掛けようか」 「うん」