「凪もそう言ってるし何かリクエストしたら?いつも凪の面倒みてるんだからたまには返してもらえ」

カラカラと笑う先輩に凪が怒る。

「面倒ってなんですか!」

「面倒だよ」

「凪が春に面倒かけるとかそんなことしてないよね?」

「どうだろうな」

「ひどーい。二人して幼気な少女をいじめるなんて」

白々しく嘘泣きを始める凪に先輩がまたカラカラと笑う。

そんな先輩に「もう!」と拗ねている凪を見て本当に付き合ってるんだななんて、今更ながらに思った。

「ほら、暗くなる前に帰るぞ」

そう言って先輩は自然に凪の手を握って、凪も自然にそれに応える。