目を開けるとコーヒーはすっかり冷めてしまって、閉じる前まで立ち上っていた湯気は面影も残さず消えていた。

ああ。

せっかく淹れたのに冷めちゃった。

まあいいか。

まだしばらくそれを飲むことはできなそうだから。

それよりもいまは眠ってしまおう。

起きたら外に行きたくなるように。

空から雲が消えるように。

あの時の空と同じものが見れるように。

祈りながら少し眠ろう。