何もない私が何にしがみついて生きていけばいいの?

その時、体の右側に僅かな温もりを感じた。

小さかった温もりは徐々に大きくなって、空っぽの私を満たしていく。

息が詰まった。

でも、辛くはなかった。

その温もりが心地よくて、なんだかとても落ち着いた。

この温もりがあれば私は生きていけると思った。

この温もりを感じることが生きていく理由にしようと思った。

その温もりのお陰で私は、安心して眠ることができた。