「すごいな」

おかしい。

几帳面だったなのねえの部屋が俺の部屋より汚れているなんて。

ありえない。

「ちょっと疲れてて。たまたまだよ?」

そんな訳ない。

そんなことでここまで汚れるもんか。

いますぐ何があったのか問いただしたい。

だけどまずは。

まずはこの状況を整理して落ち着かなければ。

それくらい目の前のその人は弱っていた。

散らばっていたものを簡単にまとめてからソファーに座り改めて部屋の中に視線を巡らす。

女の人の部屋を観察するなんて失礼なことなんだろう。

でも俺には情報が必要だった。