コーヒーを淹れていたことを思い出す。

慌ててドリッパーを見ると膨れていたはずの粉が見事に萎んでいる。

棚から新しいフィルターを取り出してコーヒーを淹れなおす。

かなちゃんがいなかったらそのままお湯を注いでただろうな。

新しく蒸らされる粉を見ながら自然と口角が上がっていく。

そんな自分が信じられなかった。

だけど。

それも。

悪くはないなって。

思えた。