兄さんに話して間に入ってもらおうか……。

いや、頼りたくない。

自分の力だけでなんとかしたい。

そうじゃなきゃ意味がない。

これは俺の問題なんだ。

考えがまとまらない内にお湯に浸かっていられなくなり、俺はひどく熱くなった体を湯船から引き上げた。

髪を乾かしていると玄関から話し声が聞こえてきた。

父さんが帰ってきたのだ。

頭を乱暴にわしゃわしゃと乾かし気合いを入れる。

まずは俺の意思を伝えることだけを考えよう。