*
夏木さんと存分に話し合った結果。
どうやら夏木さんは、俺の「夢に夏木さんが出てきた」という精一杯の告白の言葉を、「お前俺が好きなんだろ」的な意味に受け取っていたらしい。
まったくもう、夏木さんたら、早とちりなんだから………。
でも、そういうところも素敵だなぁ。
夏木さんはしばらくげんなりしていたけど、急に眉を下げて、なぜか申し訳なさそうな表情になった。
あれ?と思っていたら。
「…………ごめん、犬飼くん……」
と俺に頭を下げてきた。
その瞬間、俺は全身の血の気が引いたような気がして、絶望的な気分になる。
「俺、やっぱり振られるんだー………」
思わず心の声が口から飛び出してしまった。
すると夏木さんが慌てた様子で、
「ちっ、ちがうちがう、そっちの話じゃなくてー!!」
と叫んだので、俺は今度は希望に満ちた気分になる。
「えっ、じゃあ、OKしてくれるの!?」
だって、そういうことだよね!?
じっと夏木さんを見つめると、夏木さんは「へっ!? あっ、いや………っ」としどろもどろになる。
その様子がかわいらしくて、ふふっと笑みがこぼれた。
「やっぱり、夏木さんってシャイで照れ屋だねー。告白されて動揺するのとか、なんか可愛くてキュンとしちゃうよ」
思ったままを言葉に出すと、夏木さんの顔が真っ赤になった。
あぁ、可愛いなぁ。
「ねぇ、ミケランジェロもそう思うだろ?」