「あっ、あはは~。へえ、そんなんだ~あはっ、あははっ」


突然、夏木さんが笑い出した。

それを見て、俺はほっと安堵する。


すぐに即答で断られたりしたらショックだなぁ、って思ってたから。


嬉しくなって、俺は思いの丈をもっとぶつけることにした。


「俺、なんで夏木さんの夢なんか見たんだろうって、すごく不思議に思ったんだけど。先生の話きいて、納得しちゃった〜」


俺がそう言った瞬間、夏木さんの顔が、笑みを浮かべたまま固まった。

きっと、びっくりして、照れくさくなっちゃったんだな。


そんなことを思っていると、夏木さんはがばっと立ち上がり、


「不思議なこともあるもんだね~」


と言いながら、すたこらさっさと立ち去っていった。


………うーん、照れ屋さんだな。

そういうところも素敵だし、いいなぁ。


でも、不思議なんかじゃないのに。

俺が夏木さんに恋していて、夢にまで見るのは、不思議なんかじゃない。


むしろ、夏木さんみたいに優しくて話しやすくて笑顔が素敵な女の子、好きにならないほうがおかしいよ。うん。


もっと自信をもって、夏木さん!