そしてまた、沈黙。

………うー、もう、どうしたらいいんだか………。


ハンドルをぎゅっと握りしめて、俯いていると。


「あっ! 今井と神山さん!!」


後ろから、自転車に乗った三人組が猛スピードで近づいてきた。


サッカー部の大石くんと原田くん、福原くんだ。

一瞬、今井くんが嫌そうな顔になった。


「なになに、お前ら一緒に帰んの!?」


今井くんの横に並んだ大石くんが、やけに嬉しそうに訊いてくる。


「マジで付き合ってんの!? ひゅーっ! なあなあ、どっちから告ったの? やっぱ今井が告ったの!?」


…………もう、大石のばか!!

どんな顔すればいいわけ………?

もう、今井くんの顔、まともに見れない………。


「バカ、邪魔すんなよ! 空気読め、大石!!」


突然、今井くんが声をあげて、大石君の肩を小突いた。

あたしはぽかんとして今井くんを見る。


今井くんは少し顔を赤くして、言った。


「今から告るんだよっ!!」


……………え?

今、なんて?


呆然として今井くんの顔を見ていると、今井くんは「あ」と声をあげて、しまった、という表情になった。


そして、困ったような顔であたしを見下ろしている。


「…………」

「…………」