どうしてこんなに颯太くんの言葉はこんなにわたしを揺さぶるんだろう。

参道の両脇に並んだ屋台を見ながら歩いていると、子供達がしゃがんで群がっているのが見えた。金魚すくいだ。

「金魚すくいやろーぜ」

颯太くんに誘われて、近づいてみると、畳一畳ほどの四角い水槽に赤や黒い金魚がたくさん泳いでいた。

「わたし、とれたことないんだけど」

「おれ、めっちゃ得意」

「あー、なんかわかる。得意そう」

まずは子供達がやっているのを眺めていると、みんな金魚の早い動きに苦戦しているようだった。

「みんなわかってないなー、こつがあるんだよ。金魚すくいには」

小学生らしい子供達が次々と失敗してはしょげて帰る様子に、颯太くんが大人げなくいばってみせている。

「えれなもこういうの得意なんだよ」

わたしは子供の頃を思い出した。

「あの子、要領がいいから、すぐにこつつかんじゃうの。わたしが一匹もとれなくてすねてると、必ず半分わけてくれた」