夢からさめると、男の子はあることを心に決めてから学校へ向かいました。


そして、大なわとびの練習のとき。男の子は、クラスの仲間に、勇気を出してあることをたのみました。


「ぼくをぬかして、みんながとんでいる様子を見せてくれないかな」


ただがんばるのではなくて、男の子は考えようとしていました。

クラスのために、先生のために自分ができることはなんだろうと。


男の子は、そう考えながらよくみんなを見ました。とんでいる景色と、それはまったく違っていました。


ニージュイチ、ニジュニ、ニージュサン……


次々となわをとんでいくみんな。


やっぱり自分がいたせいで、とべていなかったんだと男の子は心を痛めましたが、今はそんな場合じゃないと、引っかかってしまう理由をさがしました。


タァン、タァン、タァン。


男の子の目は、とんでいる友だちから、なわに向けられるようになりました。しなりながら回るそれをじっと見て、音を聞きました。


そして、気がつくのでした。


なわが、ゆかにバウンドしてるんだ。


みんながなわに引っかかっているとき、必ずなわがゆかに当たって小さくはね上がっていました。