夢は、私が四歳だった頃、お父さんとお母さんと初めて旅行をしたときのものだと思う。

あまり覚えてはいないのだけど、病状が少しよくなったため、遠出が許されたらしい。


見るものすべてが新鮮で、とても楽しかった記憶がある。

旅の終わりに、ふと見つけた公園に寄った。

そこにいたのは、絵がとっても上手な男の子だった。

それから小学六年生になるまでは、ずっと同じ町にいて、入退院を繰り返していた。


小学五年生になる頃からお父さんは単身赴任で家を空けた。


場所は四歳の頃に旅行で訪れた町だ。

美術館や日本庭園など、美しいものがたくさんある。

私は、そんな町で働けるお父さんを羨ましいと思っていた。