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期末考査から終業式はあっという間で、もう夏休みになった。
でも、私の生活は学期中とあまり変わらない。
七時半に学校を出て、八時半前に学校に着く。
普段はC組の教室に直行するけれど、夏休み中は教室棟を素通りして、旧館の美術室に向かう。
歩いている間、体育館やグラウンドから、この暑さの中で練習に励む運動部の生徒たちの掛け声が聞こえ続けていた。
色葉高校では、夏休みが明けるとすぐに文化祭が開催される。
美術部は毎年、『色高画廊』という出し物をやっているらしい。
一人ひとりが最低二作の絵や彫刻を制作して、旧館の長い廊下を使って展示するのだ。
その作品制作のために、私は毎日登校して美術室に通っていた。
とはいっても、美術部は幽霊部員が多い上に、マイペースな個人活動を好む部員がほとんどなので、部活に来ても誰もいないことも多かった。
暑い中で学校に来るのは嫌だから家で制作するという人もいるし、二学期が始まってから文化祭までの間の一週間で適当に仕上げるという人もいるようだ。
深川先輩だけは私と同じように毎日登校して絵を描いている。
でも、美術室は日当たりが良すぎるから暑いと言って、風通しの良い三階の資料室に道具を持ち込んで勝手にアトリエとして使っているので、私とはほとんど顔を合わせない。