このままうまくいけばいいのに、と思った。
そしたら私は変な期待なんかしなくてすむから、そのほうがずっと楽だと思った。
そういうふうにして彼方くんを避けて、遥を励ましているうちに、文化祭当日になった。
二人はラインのやりとりをして、待ち合わせ場所も時間もきちんと決めてあった。
「今日はよろしくお願いします」
彼方くんと遥が少し緊張した様子でかたい挨拶をするのを、もう一人の男子の長谷くんと私は笑いながら見ていた。
「なんか初々しくて微笑ましいなあ」
長谷くんがくすりと笑いながら私に話しかけてくる。
彼方くんの親友というだけあって、落ち着いた感じの大人っぽい男の子だ。
「本当、そうだね」
私も彼と同じような表情を意識して浮かべて、遥の良い友達を演じた。
心の中では、やっぱり複雑な気持ちを抱えながら。
忘れよう忘れようとしているのに、どうしてもうまくいかなくて、
私はやっぱり彼方くんのことばかり気にしてしまう。
彼方くんと遥、長谷くんと私というペア二組の形で、クラス展示を回ったり、ステージ発表を見に行ったりした。
華やかに飾りつけられた校内の様子や、みんなのテンションの高さに引きずられたのか、遥はいつになく行動的で、彼方くんにもいつもよりずっと近づいていた。
そしたら私は変な期待なんかしなくてすむから、そのほうがずっと楽だと思った。
そういうふうにして彼方くんを避けて、遥を励ましているうちに、文化祭当日になった。
二人はラインのやりとりをして、待ち合わせ場所も時間もきちんと決めてあった。
「今日はよろしくお願いします」
彼方くんと遥が少し緊張した様子でかたい挨拶をするのを、もう一人の男子の長谷くんと私は笑いながら見ていた。
「なんか初々しくて微笑ましいなあ」
長谷くんがくすりと笑いながら私に話しかけてくる。
彼方くんの親友というだけあって、落ち着いた感じの大人っぽい男の子だ。
「本当、そうだね」
私も彼と同じような表情を意識して浮かべて、遥の良い友達を演じた。
心の中では、やっぱり複雑な気持ちを抱えながら。
忘れよう忘れようとしているのに、どうしてもうまくいかなくて、
私はやっぱり彼方くんのことばかり気にしてしまう。
彼方くんと遥、長谷くんと私というペア二組の形で、クラス展示を回ったり、ステージ発表を見に行ったりした。
華やかに飾りつけられた校内の様子や、みんなのテンションの高さに引きずられたのか、遥はいつになく行動的で、彼方くんにもいつもよりずっと近づいていた。