私がここにいていいのは、一週間だけ。

どんなにここの居心地がよくても。

どんなにあの場所に帰りたくなくても。

必ず終わりはやってくる。



……やだ、な。

帰りたく、ない。ここにいたい。



もしかしたら、新太も気が変わって、もう何日かならって頷いてくれるかもしれない。

そんな淡い期待を込めて、口をひらいた。



「……ねぇ、新太。ずっとここにいちゃ、ダメ?」



隣にしゃがんだまま、ぼそ、と問いかける。

けれど新太は、私からそう問いかけられることを分かっていたかのように小さく笑った。



「最初に言ったでしょ。期限はどんなに長くても1週間、って」

「けどっ……」



私が続けようとした言葉を遮るように、新太は静かに首を横に振る。



「ここは、永遠じゃないんだよ。ここにいるだけじゃ、進むことも戻ることもできない」



永遠じゃ、ない。

そんなことわかってる。わかってるけど、ううん、わかってるからこそ、そうあってほしいと願ってる。



「……私は、進みたくなんてないし、戻りたいとも思わない。このままでいい……ここにいたい」



前に進めなくても、来た道を戻れなくても、いい。

ここに、いたい。