「………わかった」


妖精は、私をまっすぐに見つめて頷いた。


その瞬間、絵たちが光を帯びる。私自身も光をまとって、宙に浮いた。


身体が強く引っ張られるような感覚の数秒前、ふいに夏の妖精が呟いた。




「きみに心動かされて、回っていた世界があったこと。忘れないで」




ああ、はやく言わなきゃ。


君がこの世界とお別れする、その前に。