私は右手を動かしながら、心が暖かくなるのを感じた。


ああ、いいな。

やさしい空間だ。


ひだまりのように暖かく、淡く、やさしい。


下地は黄色とオレンジ。水を多く含ませて、にじませる。


見たらきっと、元気になるような。ここに来て、彼らと一緒に笑いあいたくなるような、そんな絵にしよう。






「じゃあな、理央と颯!」

「バイバーイ!」


約一時間後、子供たちは機嫌よく駄菓子屋を去っていった。


「おー、気をつけて帰ろよー」


颯が大きく手を振って見送る。私も軽く手を振って、小さな背中たちが見えなくなるのを待った。



「はー……。小学生って、元気だな」



少しして、颯が苦笑いしながらため息をついた。彼はほぼずっとしゃべりっぱなしだったし、疲れたのだろう。