私がムスッとして無言で子供たちを睨んでいると、颯が何かに気づいたように「おっ」と声をあげた。


「なんのゲームしてんの?」


彼は、小学生たちがみんな手に持っているゲーム機を見ていた。


最近の子供は、外には出るものの大体手にあるのはゲーム機だ。私が彼らくらいのときは、まだもう少し健全な遊びをしていた気がするのだけれど。


なんとなく時代の流れを感じていると、ひとりの男の子のゲーム機の画面を覗きこんだ颯が、「あ、これ俺もやってる!」と言った。


「マジで!?にーちゃんコレ知ってんの!?」

「知ってる知ってる!今やってるし!」

「へー!にーちゃんどこまで進んでるの?オレね、ここのボス戦がむずかしくて……」

「あー、ここはな、アイテムで……」


と、気づけば彼は小学生たちと、ゲームソフトの話で盛り上がっていた。


颯を中心に集まって、男の子たちがあーでもないこーでもないと言いながらゲーム機の画面を見つめる。


会話に入っていけないので黙っていると、カウンターでにこにこしているおばあちゃんと目があった。



「今日は賑やかだねえ、理央ちゃん」

「……そうですね」



嬉しそうに笑うおばあちゃんを見て、思わず私も笑いがこぼれた。