縦じま模様の簡素なビニール屋根の下には、どっしりと置かれている赤い自販機がある。その横には、わずかに開いたままの引き戸が見えた。



私はそれまでと変わらない速度で、店の前まで歩いた。既に客が来ているのか、中から子供の元気な話し声が聞こえてくる。


私はそっと手をかけて、引き戸を一気に開けた。


透明ガラスの引き戸は横にスライドして、カララ、と軽快な音を立てた。



「こんにちは」



中にいた子供たちが、一斉にこちらを向く。


カウンターにいる店主のおばあちゃんは、私の顔を見るなり、しわだらけの顔で優しく笑った。



「理央ちゃん。いらっしゃい、久しぶりだねぇ」



ここを最後に訪れたのは、確か半年ほど前だ。


展覧会で描かせてもらったお礼をしに行って、それからはなんとなく足が遠退いていた。


狭い店内の中に、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた棚と、そこに並ぶ色とりどりの駄菓子たち。

ドアのすぐそばには大きなクーラーボックスがあって、ガラスの向こうにアイスのパッケージが見えていた。