「緑のカーテン?」
「そう。ゴーヤ植えようと思って」
放課後。
あたしたち四人と日焼け対策ばっちりの雅子先生は、中庭の花壇の前にいた。
中庭の花壇はあたしたちの教室に面していて、ちょうど窓を開ければ真下に花壇があるようになっている。
ひとつずつ持たされた小さいスコップ。雅子先生は張り切って、大きいスコップを持っている。
「ここの土は固いから、とりあえず掘り返すで」
そこどいて、とあたしたちに言って、大きいスコップで花壇を掘り返す。
柊はゴーヤの苗をつついて、緑のカーテン、と呟いていた。
「この土、固すぎやん?」
「こんなとこでゴーヤ育つん?」
由香とたっくんは、小さいスコップでグサグサと土の塊を砕く。
あたしは何をしたらいいんだろう、と小さなスコップの先でミミズをつついていたら、それに気付いた雅子先生が声をかけてきた。
「……みどり、ミミズつつくのはやめんさい」
「うい」
「ジョウロに水入れてきて」
「ういー」
手持ち無沙汰だったあたしは、その指示に従い立ち上がる。
スコップはここに置いていくとするか。