「ごろごろごろごろー」

「おい、転がるな」

「ふっへへー」


はあ、と溜め息を吐く。

そんな俺を気にする素振りも見せず、みどりは縁側で転がっていた。

机の上には酎ハイの空き缶が無造作に並んでいる。


「……みどり、飲み過ぎ」


その缶の多さに呆れる。


「飲み過ぎとらんよー、ふはははは」

「完全に酔ってるだろ」

「もう大人やもーん、そんなすぐに酔わんよー」

「大人とか関係ないし」

「だって今日金曜日やしー、明日仕事休みやしー、ちょっとくらいはっちゃけてもいいやーん」

「はっちゃけすぎだっつの」

「よっし、もう一本」


寝そべりながら机の上に手を伸ばし、手探りで酎ハイを探すみどり。

これ以上飲ませたらさらに面倒くさいことになると判断し、まだ開いていない缶をその手から遠ざけた。