離さなきゃいけないと分かっているけど、繋いだ手を離したくなくて。 そんなことは不可能だと知っているけど、夏が終わらないことを願った。 まだ、隣にいたかった。 ずっと、隣にいて欲しかった。 それでも、町はどんどん遠ざかる。 夏の終わりを告げるかのように、トンボが飛んでいた。