食卓を見て、溜め息。
「朝からゴーヤチャンプルかよ……」
「おー。お前が収穫してきたゴーヤ、まだまだあるからな」
そう言いながら、どこか嬉しそうに箸を進める俊彦。
みどりたちの言っていたことは本当で、俺がゴーヤを持って帰ってきた日から、俊彦は毎日ゴーヤチャンプルを食べている。
「とーしひこー、牛乳なくなっちゃったー」
「いや、飲みきってくれて良かったわ。俺飲まんし」
「あ、そっかー」
頻りに頷いて、父親はグラスに注いだ牛乳をごくごくと飲む。
俺はそれを横目に、納豆をぐるぐると混ぜる。
「そうだ、柊」
ふと思い出したように呼ばれて、視線を向ければ、口の周りが白くなった父親が俺を見ていて。
「牛乳」
「うっそん」
口元を指差して教えてやると、慌てて拭って、また口を開いた。