突然言い出したトシちゃん。

首を傾げていたら、ちょうどお風呂上がりの柊がやって来て。


「あれ、みどり、まだいたんだ?」

「いいところに来たなー」

「は?」


タオルで髪をわしゃわしゃと拭きながら、柊は怪訝そうに眉を寄せる。

開けっ放しの引き戸から、生温い風が入ってきた。



「花火すんぞ」



にやりと笑って、トシちゃんはビニール袋を持ち、外に出ていく。


すぐにその言葉が理解出来なかったあたしと柊は、トシちゃんからワンテンポ遅れて、同時に顔を見合わせた。


「……今から?」

「そうっちゃう?」

「え、どういう経緯で?」

「……さあ?」

「……」

「……」

「とりあえず、行くか」

「うん」