「そんじゃ、お邪魔しましたー」
結局、夜ご飯もトシちゃんちで食べた。
宿題を入れてきた大きめのカゴバッグを肩に掛けて、引き戸を開けてみたら、もう外は真っ暗だった。
「みどり、ちょっと待て」
「お?」
振り向くと、トシちゃんが大きなビニール袋を持っていて。
「これ、野口さんから貰ったんやけど」
「なにこれ?」
聞きながら、中を覗く。それは、色んな種類が入った花火セットだった。
「くれんの?」
「俺んち、誰もやらんから」
「でも、あたしもこんなにやらんよ」
ずっしりと重たいそれを、袋の中から引っ張り出して眺める。本当にたくさん入っているから、楽しそうだとは思うけど、あたしだって一人っ子だし。
「んー……、じゃあ、今からやるか?」
「はい?」